リーダーの覚悟

私たちは、組織の力を知っています。

多くの志のある人たちが力を出し合うことで、困難を乗り切ることができる

ためです。


しかし、勘違いしてはいけないのは、組織は困難を乗り切ることは出来て

も、その中心にある「コア」は、一人(またはごく少数)の智慧でしか生まれ

ないということです。


何か問題があると、日本企業は大きな会議を開きます。

この方法は、問題を共有するというメリットはありますが、あまりにも早い

時点で問題だけを認識すると、それぞれの人がそれぞれの立場から、智慧を

出し合うため、ベクトルを一つにまとめることがとても難しくなってしまい

ます。


派閥のバランスばかりを取る政治の世界では、思い切った改革が出来ないの

と同じように、「誰かを立てれば誰かが立たず...」では、難局を乗り切るた

めの「身を切る改革」はやりずらいものです。


「議論を尽くして...」という言葉は、耳障りは良いですが、決定しなくては

ならない『期日』を決めておかなくては、何も決められない議論になってし

まうことを忘れてはいけません。


そして、何よりも重要なことは「コア」を決めるときには、リーダーが命が

けで決定を下すことです。たとえ全員が反対したとしても、それが正しいと

いう信念を持ち、誤りだと判断された場合には白洲の上で『切腹、打ち首』

を覚悟することです。


どんなに大きな船も、『舵』は一つだけです。


完璧な人間などいません。ですから、リーダーも判断ミスを犯すこともあり

ます。でも、多数決で物事を決め、「責任者不在」の組織では、さらなる問

題が起こったときに無政府状態に陥ってしまいます。


ある意味、リーダーになった人は、その瞬間から『さらし首』になることを

覚悟する気概が必要だということです。


歴史に残るマスターピースを作ったのは、たった一人の作者です。


パリのエッフェル塔も、東京の国立競技場も、シドニーにあるオペラハウス

も、設計者は一人です。ベートーベンの交響曲は、彼一人が作りました。


命を懸けた人の判断は、俗人の口だけの言葉よりも遥かに重みがあるのだと

思います。


だからこそ、リーダーを選ぶ際には、私たち俗人も「命を懸ける」必要があ

るということでしょう。


これからの時代、グローバルで様々な要素が絡み合い、まるで暗礁ばかりの

海峡を進むような舵取りが求められることは間違いありません。


国であれば国民、会社であれば従業員の幸せを命