異文化コミュニケーション的交渉術(論文的手法)

学者の書く論文を読んでみると、必ず巻末に索引が羅列してあります。


これは「(私は)これだけの本を熟読しました。」「(私は)これだけのエビデン

スから論理を構築しました。」ということを表しているのだと思いますが、

実はそれよりも「これだけのエビデンスがあるのだから、私の論理は正しい

のですよ!」という『裏付け資料』であり、『反論を寄せ付けないための防

御』として存在しているのでしょう。


人は「新しいことを受け入れることを良しとしない」という本能的な反応を

する生き物のため、そうさせないための工夫がそこにはあるのだと考えられ

ます。


交渉の場合、自分の意見と、相手の意見が異なっているときに「相手を説得

する」必要があります。


でも相手も『相手なりの意見』を持っているのですから、どんなにその意見

が誤りであるとロジックで攻めても、まずは相手の『感情』がそれを拒否し、

『思考』がそのロジックへの反論を導き出してしまいます。


そのため、論戦は果てしなく続き、合意や和解を導き出すことが出来ないば

かりか、決裂してしまうことがよくあります。


ではどうしたら、相手の意見を変えることが出来るでしょうか?


その方法が「論文」的な下準備です。つまり、「こちらの意見は結果的にこ

れらの裏付けによって導かれたもので、他の多くの人たちが、私の意見の正

当性を認めるエビデンスを出しています。」といった説明方法です。


「あなたは間違いです!」


という一撃は、確かに一時的にはこちらが優勢になりますが、人はそう言わ

れると、カチン!と来てしまうため、後々シコリを生んでしまいます。


それを避ける為に、いろいろなエビデンスを出すことで


『もしかしたら、自分の意見は間違っているのかもしれない?』


と思わせることの方が、より効果が高いということです。


あなたにとっては「火を見るよりも明らか」なことでも、相手にとってはそれ

に気が付かないという『情報格差』は存在するからです。


たとえば、


「〇〇の商品はとても優れています、是非買ってください。」


よりも、


「〇〇の商品は皆さんが買っているとても優れた商品です。如何ですか?」

がベターで、さらに、


「〇〇の商品は、お隣さんも購入されていらっしゃります。とても素敵でし

ょ?」


と説明した方が相手を説得しやすいのと同じです。


どうしても交渉をすると、相手をロジックで説得しようとしがちですが、大

切なのは「相手自身が、好んで意見を変える」ように仕向けることです。


これをするためには、自分の感情との葛藤に勝たなくてはなりません。人は

自分の意見に酔いしれます。その心地よい「ほろ酔い加減」を邪魔されると、

気分が悪くなってしまうためです。


より大局から自分も「酔っている」ことを認識して、冷静に行動することを

心しなくてはなりません。


日々、その訓練をしているのだと考えて、この試練をどう解決できるか?と

客観的に見つめる癖をつけると良いでしょう。



島崎ふみひこ

異文化コミュニケーション研究所(R)

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